料理人のコリュウです。
テレビや雑誌などで昔はトロを捨てていた。聞いたことがある人多いのではないでしょうか?その事を聞いた芸能人が「もったいない!ありえない!!」などとコメントしているのをボクも見たことがあります。
このことについて、ボクなりに検証してみました。
お寿司屋さんが魚を熟成させ保存期間を延ばし始めたのが1800年後半から。今の東芝が第一号冷蔵庫を発売したのが1930年なので、熟成をはじめてから約半世紀以上今みたいな冷蔵庫が無かったことになります。 ボクも寿司屋時代に江戸前の仕事を、めちゃくちゃ恐ろしい料理長に叩き込まれ、色々な方法で熟成してきました。 今でもマグロを寝かせる(昔に無い熟成方法を除く)のは赤身のみでトロを寝かせることが無いのが一般的。 分かった事は、鮮度が良く動物エネルギーが高くてもトロは熟成に耐えられないと、、、 赤身の方は3週間寝かせても大丈夫でしたが、トロは2週間もたずに腐敗(マグロさんごめんなさい)。 トロを腐敗するギリギリで食べたのですが、腐っていないにもかかわらず不味い、、の一言。 理由はトロの脂が酸化して、その香りが何とも・・・それが味に影響、、飲みこめませんでした。 そのために昔マグロのトロは捨てられていたのだとボクは思いました(周りをがっつりトリミングして何とか食べられる状態にはなるのですが、美味しくない)。
肉の脂と違い 魚の脂、、特にマグロの脂はオメガ3なので酸化のスピードが半端ない。言ってしまえば別物。 今みたいな性能の良い冷蔵庫でもトロを寝かせるのは中々に難しいし、黒毛和牛同様、寝かせるより鮮度が良い状態で食べるほうが断然旨い。
熟成も良いのですが、せっかく昔と違い良いものを良い状態で手に入れられるので無理して寝かせるのもどうなのかな~ってボクは思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。